腸内細菌叢①(フローラ)ってナニ?
2025年04月22日
穀雨(4/20-4/24)葭始めて生ず(あしはじめてしょうず)水辺の葦が、芽を吹き始める
いっせいにお花が咲き始め賑やかになってきた今日この頃ですが、みなさまいかがお過ごしでしょうか?お花畑を見て腸の中を思い浮かべる人はほとんどいないと思います。しかし腸内フローラ(お花畑)と言われていますがなぜでしょう。
腸内には細菌が棲んでいます
腸には大腸と小腸がありますが、それぞれの働きはまったく違います。小腸は食べたものを消化吸収する臓器であり、一方の大腸は、栄養を吸収したあとの残りカスから大便を形成する臓器です。
生命維持にかかせないこの働きに加え、私たち人間の腸内には、体内に棲む細菌のうち約9割が棲みついています。その数はおよそ100兆から~1000兆個で、種類は約1,000種類、重さにして約1キログラムから2キログラムと言われています。私たち人間の細胞は約60兆個といわれていますが、身体の中には、自分の細胞よりもはるかに多い細菌がいることになります。
大腸に棲む細菌を「腸内細菌」といいます。通常ウイルスなどの異物は免疫システムにより体内から排除されるのですが、免疫寛容という仕組みによって排除されないものがあります。この仕組みによって共存を許された細菌のひとつが、腸内細菌なのです。
腸内フローラとは
腸内に棲んでいる細菌は、菌種ごとの塊となって腸の壁に隙間なくびっしりと張り付いています。この状態は、品種ごとに並んで咲くお花畑(flora)にみえることから「腸内フローラ」と呼ばれるようになりました。正式な名称は「腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう)」です。
腸内細菌の形成パターンは、一人ひとり異なります。食生活や生活環境も関係しますが、一番大きな影響を与えるものは母親の腸内環境だといわれています。赤ちゃんは生まれてくるときに、母親の産道にある腸内細菌に接触することで細菌をもらい受けます。これが赤ちゃんの腸内に入り込み、腸内細菌として増殖していきますが、腸内フローラの原型は3歳までにつくられるといわれています。生後、形成された腸内フローラのパターンは一生変わらないとされ、3歳くらいの時の腸内フローラが最もよい状態だといわれています。
いかがでしたか?まさか腸の中にそんなに多くの細菌が棲んでいて、赤ちゃんが生まれてくるときに、母親の産道にある腸内細菌に接触することで細菌をもらい受け、赤ちゃんの腸内に入り込み、腸内細菌として増殖してくるなんて驚きですね。これから少しずつ腸内細菌叢についてお話ししていきたいと思いますのでどうぞよろしくお願いします。